Ryi’s bike & run

神奈川近辺の走って楽しい自転車ルートを探索中

Ride 11: ツール・ド・三陸2016

日時:2016年9月25日
場所:岩手県陸前高田市大船渡
距離:64.5km

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早いものですでに半年以上経過してしまいましたが、今更ながら昨年の9月に参加した「ツール・ド・三陸サイクルチャレンジ2016 in りくぜんたかた・おおふなと」の様子です。

 

 

ツール・ド・三陸は毎年少しずつコースが増えてきていて、このときエントリーしたのも新コースとして追加された「剛脚もののけコース」。

距離は64.5kmで、これまでのコースの中で最長です。またその前年に新登場したマウンテンコースをさらにパワーアップさせて登りをきつくしたコース、ということで楽しみにしていました。

ところが以前の記事に書いた通り前立腺を悪くしてしまい、その影響でまったく自転車に乗ることができず、2016年に自転車に乗った回数はわずか3回。総走行距離は50kmにも満たないという、かなりなめきった状態で当日を迎えることに。


(当日の朝)

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宿泊場所を出て、津波の前は市街地があった高田町を通って海上に向かう。
天気は曇り。


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大きな堤防が作られ、海の向こうは見えない状態に。震災前は7万本の松林と白い砂浜があったそうだが、松1本だけ(いわゆる「奇跡の1本松」)を残してすべて消えた。


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比較的最近修復された「オカモトセルフ」の看板。赤い部分が津波によってはがされていて、随分長い間そのままとなっていた。


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海岸沿いにある道の駅。




(そして会場となる陸前高田市コミュニティホールへ…)

 

 

 

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海上でゼッケンや腕章などをもらう。震災のあった熊本への連帯を表すメッセージも。


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スタート地点付近。1000人くらいが参加。


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自分は「剛脚もののけコース」なので一番最初のスタート。まわりにいるのはいかにも乗ってそうな人たちが多く、準備不足甚だしい自分ははたしてついていけるだろうかとヒヤヒヤ。


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そしてスタート。一応グループスタートなので、少しずつ、順番に。


そして案の定、ソッコウで置いてかれた(笑)


というかいざある程度のスピードで走り出すと、「体が…ついてこないッ!」。正直まったく乗ってなかったとはいえ、距離も64kmだし、なんとかなるんじゃないの? なんてどこかで思ってた自分もいたのだけれど、やっぱり練習しないと身体は動かない。このことをはっきりと実感した。

もう本当に身体が動かない。そしてこの「剛脚もののけコース」は、冒頭に一番きつい登りがある。

 

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地図でいうと、スタートから10km地点くらいまでが登りとなる。

距離自体は大したことはないとはいえ、勾配がなかなか急で、ほんとに、ゼーゼーいって、坂の途中で足つこうかと思った。

まったく余裕がなかったため、この間の写真は一切なし。






そして…




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…ローギアでヒーハーいいながら登り続け、どうにか頂点付近のお風呂屋「玉の湯」を通過。

ここまでが一番きつい勾配だと知っていたので、この看板が見えたときはなんとか乗り切った、と思った。でもここまでは本当にしんどくて誇張じゃなく途中で目の前が白くなりかけた。


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玉の湯を越えると傾斜が楽になり、少し身体が復活。


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ちょっとした展望スポットがあり、先行したひとたちが止まって休憩していた。

ツール・ド・三陸はレースではないので、こうして景色のよい場所などではみんな停まって写真撮ったりする、とてもゆるくてナイスな感じ。


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陸前高田の町が見える。

(このイベントの時点で)震災から5年7カ月経ち、町は大規模なかさ上げ工事の真っ最中。来るたびに風景が変わっているけれど、人が暮らせるようになるにはまだ何年もかかるよう。


ちなみにこの大会にはゲストライダーとして別府史之選手が参加しており、この展望ポイントで合流したことをきっかけに、少しの間同じ集団で走ることができた。

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山から下り、町中へ。ここからは昨年までのコースと同じなので、なんとか完走はできそうだという気に。



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隣の大船渡市に入り、最初のエイドステーションとなる「碁石海岸レストハウス」に到着。


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最後尾でライダーたちをケアしていた片山右京さん(水色のジャージ)も到着。右京さんは非常にきさくな感じで、この前年に参加した際も向こうから声をかけてくれて一緒に写真を撮ってくれたりした。


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補給を終えてまた出発。

 

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あちこちの海岸線で防潮堤工事がおこなわれている。

 

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元々列車が走っていた踏切。


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津波で線路が流されたため、今はこの道をBRTという特別なバスが代わりに走っている。


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しんどいけど、走るのはやっぱり楽しいし気持いい。

 

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大船渡市を出て、再び陸前高田市に入る。

 

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大野海岸。

ここも新しく大規模な堤防が作られ、きれいな砂浜がほとんどなくなった。


近くの高校の生徒はこの砂浜に好きな人を連れ出して告白するのが定番だった、という話を現地の人から聞いたことがある。

 

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二つ目のエイドステーション「広田漁港」に到着。

 

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ここのエイドでは牡蠣が出る。陸前高田の前に広がる広田湾は、牡蠣の有名な産地でもある。

 

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おやきもいただいた。ワカメが美味い。

 

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自転車イベントの名物男「悪魔おじさん」(右)と今年も遭遇。


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悪魔おじさんはどんなイベントもママチャリで出場して走り切ってしまうという、実はかなりの剛脚の持ち主。

いつもシングルギアなので「今日もシングルギアですか?」と訊いたら、「いや今日は内装8段」とのことでした。それでも「もののけコース」に参加していたというのだからすごい。

 

 

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陸前高田の目の前に広がる広田湾。

牡蠣の養殖場所として有名で、養殖のいかだがたくさん浮かんでいる。

 

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もうゴールまではあと数キロ。

 

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先行していた悪魔おじさんが、ゴール地点の直前で帰って来るライダーのお迎えをしていた。

自分も自転車を降り、後方にいる仲間を待って、全員でゴール。



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スタート/ゴール地点の陸前高田市コミュニティホールに戻ってきた。いやー疲れたー。

最初の坂で足の90%くらいを使い、あとはなんとかだましだまし乗り切った感じ。



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練習不足により、かつてない苦しい走りとなりましたが、それでもとっても楽しかったです。しんどいけど身体を追い込むってやっぱりいいなあと。前立腺の不安もありましたが、痛み止めを飲んだことで乗り切ることができました。

今年も出場するかはまだ決めていませんが、現在のコンディションを考えるに見送る可能性が高そうです。当然2017年も出るつもりでいたのですが、まさか前立腺の症状がここまで長引くとは思わず… ツール・ド・三陸は4年連続で出場している思い入れのあるイベントなので参加したい気持ちは強いのですが、さすがに丸1年以上まったく自転車に乗っていないので、そういう人間がイベントにエントリーするのもどうかという気持ちもありますし。

来年になるか、いつになるかわかりませんが、また是非出場したいとは思っています。